薬剤師の業務紹介「プレアボイド」について

こんにちは!サカエ薬局です!
今回は薬局プレアボイドについてご紹介します。
重複投薬に気づいたり、患者さんの過去のアレルギー情報などから副作用の発生を未然に防ぐ。
これは薬剤師にとって大切な業務の一つであり、私たちサカエ薬局でも重要視しています。

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薬局プレアボイドとは

「プレアボイド」という言葉は日本病院薬剤師会が提唱した造語でPrevent and avoid the adverse drug reactionをもとにした言葉です。「医療現場の薬剤師が薬物療法に対して患者さんの不利益の回避した事例」として主に
①薬物療法による予想される副作用の回避
②発生しつつある副作用の重篤化回避
③予想される不十分な薬物効果の改善
などをいいます。

事例紹介:精神科より新たな追加処方が出が禁忌の病態であった事例

処方内容:(抗精神病薬)クエチアピン25mg 1錠 分1 夕食後 他2剤
数回目の受診時にて新たにクエチアピンが処方される。本剤は糖尿病には禁忌の薬剤であり、お手帳の情報から当該患者が他院にて経口糖尿病薬の服薬があり、確認したところ現在もHbA1cが7.5%あり、糖尿病治療中であることが判明。Drに照会し、別薬剤(コントミン12.5mg)へ変更となる。

このような飲み合わせの相性がよくない薬や、アレルギー、過去の服薬情報などからお薬の変更相談をし、予測される副作用の発生を防止できた事例は数多くあります。
過去サカエ薬局で疑義紹介件数の調査をした際は、プレアボイドにかかわる疑義紹介は全数と比較すると「処方箋の内容」と「服薬指導時のやりとり」から発見されるケースが多い傾向にありました。

集計期間 2019年2月17日~2019年5月15日
報告総数 605件
対象   サカエ薬局全店舗から報告事例より

これは薬局において処方箋を受け取った際に、併用薬から病態を予測したり、アレルギー情報を考慮した処方箋監査が適切に行われていること。そして服薬指導時に丁寧な聞き取り、指導がプレアボイドに重要であることが示唆されています。

経験値にかかわらず適切なプレアボイドをするために

とはいえ、複数の薬剤の処方・手帳の情報・病態を予測をして薬剤の問題点に気が付くためには基礎的な理解だけでなく
継続的な研鑽が欠かせません。基本的な業務の流れとしてダブルチェックをしていることが原則ではありますが、継続的な研鑽をサポートするためサカエ薬局では日常のプレアボイド事例を簡単なフォーマットで収集し定期的にレポートにして各店舗へ報告されます。
これによって、経験の少ない職員であっても効率的に「注意すべき視点」を学び、業務に活かすことができます。

プレアボイド事例報告:サカエ薬局(2021年4月)

誰しもはじめは不慣れなことばかりで不安があるものです。
しかし調べてもわからないことも先輩に聞いてしまえばなんということはないということもよくあります。
ともに学び、患者さんおひとりおひとりに安心・信頼していただける薬局にしていきましょう。

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